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2024/02/01 会員インタビュー

近畿支部

近畿支部会員インタビューNo.6 ㈲住器ヨシダ 吉田大介社長

近畿支部会員インタビューNo.6 ㈲住器ヨシダ 吉田大介社長

兵庫県は滝野社(たきのやしろ)までやってきました。

はじめてお会いする吉田社長は、とても50歳には見えないほど若々しい2代目経営者です。父上が創業した「㈲住器ヨシダ」は住設機器の卸売りを専業とする会社で、現社長も得意先を増やすなど精力的に働いておられました。しかしその後始まった不況のなか得意先が急激に減少、代わりに一般顧客からのリフォーム工事を増やしていくことで現在の元請け店としての基盤を築かれました。

今日はそんな吉田社長の素顔に迫りたいと思います。

【プライベートについて】

家ではなんと呼ばれていますか?

[吉田] 妻や子どもからは「パパ」と呼ばれています。子どもは26歳と23歳でひとり立ちしていますので、いまは私、妻、私の母の3人暮らしです。なぜか母からも「パパ」と呼ばれています(笑)。

 

趣味や休日の過ごし方を教えて下さい。

[吉田] 自宅が会社の上(2階・3階)にあって、休みの日でもお客様から給湯器や水道のSOSが入るので、完全な休日というのがありません。それでも時間を見つけて釣りや車いじりをしています。

 

旅行に行くならどこへ行って、何をしますか。

[吉田] 行き先は石垣島がいいですね。まるで外国のように人がのんびりしていて大好きです。なのにちゃんとファミリーマートがある安心感(笑)。石垣島ではゆっくりと釣りがしたいですね。

 

カラオケの十八番を教えて下さい。

[吉田] 渡辺真知子の「かもめが翔んだ日」や久保田早紀の「異邦人」なんかを歌います。車の中でも昭和歌謡をガンガン流しています(笑)。

 

あなたの宝物は何ですか?

[吉田] う~ん。自分の関わっているものすべて、ですね。家族、社員、お客様、職人さんたち‥。協力業者さんは本当に良いメンバーに恵まれていると思います。

 

最近の1番高い買い物はなんですか?

[吉田] 以前、社屋の屋上を点検しようと1万円くらいのドローンを買ったのですが、風に流されて飛んでいってしまいました(笑)。次に買い直したドローンで世界観が変わりました。そこからどんどんハマって、つい先日、結構高額なものを購入しました。すごくいいです!今では時間があるとドローンを飛ばしに行っています。

 

ストレスがたまった時や疲れた時はどうしますか?

[吉田] 「ストレスが溜まる」という感覚がよくわからないんです。でも洗車したり、ドローンを飛ばしていると頭がスッキリしますね。

 

今一番やりたいことは何ですか?

[吉田] 遠くにドライブに行きたいです。ふと思いたってドライブに出かけるのが好きで、高知にカツオを食べに出かけたり、浜松に鰻を食べに出かけたりしています。今度は東北に行きたいですね。

【過去について】

どんな子どもでしたか?

[吉田] 悪さが好きな子どもでした。例えばこんなことがありました。こっそり池の堰(せき)を開けて水を抜き、夢中になって魚を取っていたら、隣の田んぼが水浸しに(笑)。その時は走って逃げました。こんなエピソードはたくさんありますよ(笑)。

 

学生時代に熱中したことは何ですか?

[吉田] トラック野郎(大型トラックの運転手)になりたかったです。映画を観たり、道行くトラックを見て「かっこいいなあ」と憧れていました。電車も好きですし、きっと大きなものに憧れがあるのだと思います。

 

昔の自分にメッセージを伝えられるとすれば、なんと言いますか?

[吉田] 高校時代の自分に「もうちょっと真面目に勉強せえ」と言いたいですね(笑)。バンドやバイクなど、遊び放題の高校時代でしたから。高校に行くのが楽しくて仕方がありませんでした。

 

 

【会社のこと】

他社には無いと思われる取り組みや、会社の強みを教えてください。

[吉田] 地元密着であることと、水回り設備のショールームがあることです。

2000年代に入ったころ、近くの大工さんが引退したり、工務店さんがお店を畳まれることが増えてきました。するとそこのお客様が「どこに工事を頼んだらいいかわからない。ヨシダさんどうしたらいい?」と飛び込みで相談に来られます。「ウチでやりますよ!」ということで、どんどん地元のお客様が増えてきました。卸売り業も少し残っていますが、今ではすっかり「地元密着リフォーム店」です。

それと色々なメーカー(LIXIL、タカラ、トクラス、クリナップ、パナソニック)のキッチンやお風呂が一度に見られる場所は珍しいのではないでしょうか。これこそ卸売り時代の資産で、以前は「工務店さんがお客様と一緒にキッチンを決めに来る場所」でした。自社ショールームがあるのは、弊社にとって“当たり前”のことなんです。今は自社のリフォームのお客様(一般顧客)をご案内していますが、メーカーのショールームに行くことなく、すべてをここで決めることができます。

 

差し支えなければ会社の弱みを教えてください。

[吉田] 職人さんが外注頼りになっていることです。大工さんをはじめ自社職人を増やして、「リフォーム工事を自社で完結させたい」という思いがあります。

 

今までの経営の中で、一番ピンチだったことは何ですか

[吉田] 住器ヨシダに入社して2~3年はとても忙しかったのですが、その後景気が悪化し、卸売の仕事がパッタリとなくなりました。「なんでなん?」、「ヤバい」と焦りました。サプライチェーンの上流である大工さんや工務店さんが商売をやめていく中で、自社でリフォーム工事を受注しその比率を上げていった結果、今の「住器ヨシダ」がある、という感じです。

【社長として】

経営者になられた経緯を教えてください

[吉田] 住器ヨシダに入社する前は、住設建材メーカーで修行をしていました。土日休みで社員旅行にも行けて、給料も良くて仕事も面白かったので、「ずっとここにいたい」と思っていました。でも結局、二代目だから仕方がない(笑)。住器ヨシダ入社後は父親の顧客(大工さんや工務店)を受け継いだというよりも、前職の営業力を生かして新たな顧客を開拓していました。

 

仕事に関して10年前のことを教えてください

[吉田] 40歳のころですよね…。「卸売」から「元請け」への変化のまっただ中で、悪戦苦闘していました。色々な困難があって、悩みも多かったですね。

 

仕事に関して新人時代のことを教えてください

[吉田] 住設建材メーカーでの営業時代になりますが、とにかく楽しかったです。時代が時代でしたから、みんな自由に仕事をしていました。朝礼が終わったら喫茶店で昼まで営業同士で喋って、昼寝して、顧客が会社に帰ってくる夕方から夜を狙って営業に行く。あの頃は本当に夜遅くまで仕事をしていましたね。

 

社長としての強みを教えて下さい。

[吉田] 住設機器の納まりに関しては誰にも負けない、という自負があります。また卸売り店の視点でたくさんの現場を見てきたので、「この工務店さんいいな」、「この設備屋さんの仕事は綺麗」など、現場を見る目が肥えていると思います。ここで私の「理想とする現場」が形づくられました。いま私は「お客様も含めた楽しい現場」を目指しています。結局、「現場の雰囲気がクレームをつくる」と思っています。

 

社長の弱点を教えて下さい。

[吉田] 「遠慮しすぎ」、「譲りすぎ」だと先日ある人から指摘されました。私自身「穏便に穏便に」と心がけていたことが、弱点となっているようです。これからは穏便におさめるだけではなく、「社長としての判断」を大切にしていこうと思っています。

 

仕事をする中で一番やりがいを感じるのはどんな時ですか?

[吉田] お客様に「リフォームしてよかったわ!」とか、「良い仕事をしてくれてありがとう」と言われたときですね!

【自分・人生について】

好きな有名人を教えてください

[吉田] 桑田佳祐さんです。先日もライブビューイング(会場の生中継映像を、映画館で上映するイベント)に参加しました。茅ヶ崎でのライブを神戸の映画館で見たのですが、とても良かったですよ!

 

好きな食べ物は何ですか?

[吉田] この時期に食べたいのは「セコガニ」です。小さなカニをちびちびと味わうのが最高なんですよ。ご近所さんにも欲しいかどうか尋ねて、一度に50杯取り寄せたりしています(笑)。あと鰻も好きで、先日もふと思い立って、妻と一緒に三方五湖に行ってきました。

 

好きなブランドを教えてください

[吉田] ジーパンの「G-Star RAW」です。何しろ高くて2万円を超えたりするので、セールのときにしか買えません(笑)。

 

尊敬する人は誰ですか?

[吉田] 松下幸之助翁です。新人時代を過ごした住設建材メーカーというのは今のパナソニックなのですが、そこで幸之助翁の「奉仕の精神」を叩き込まれました。こうして経営者となった今、幸之助翁の教えに新人時代よりももっと大きな叡智と教訓を感じています。

 

タイムトラベルできるとしたら、過去と未来のどちらに行って、何をしますか

[吉田] どっちにも行きたいです。過去に戻って違う人生を歩んでみたいし、未来の自分を見てみたいです。でも…。今の人生も良いと思っているし、5年後の未来に行って「自分がもういない」なんてわかったら怖いでしょうね(笑)。うん、結論としては「どっちにも行かなくていい」ってことになります(笑)。

 

【未来について】

10年後、どんな風になっていたいですか?

[吉田] 60歳になっています。高校時代のような、楽しく無邪気な60歳を迎えたいです。いつまでも子どものような心を忘れない人生を送っていたいと思います。

 

社員にどんな社長だと思われたいですか?

[吉田] 「社長が言うんやからしゃーないなー」とか、「社長はほんましゃーないな」と言われたい(笑)。今もそうなっていますが(笑)。

 

最後の質問です。社長の未来は何色ですか?

[吉田] う~ん、「真っ白」でしょうか。他に影響されず、自分色に染まる色です。私はいつも自由でいたいし、そのほうが周りの人が自身の考えで動けて、いろんなことが上手くおさまるように思います。

【インタビューを終えて】

吉田社長に気負いやケレン味は一切なく、しなやかに人生を送っておられる姿が印象的でした。またいっぽうで「顧客を変えてでも生き残ってきたのだ」という自負を感じることもできました。

「30年続く商売はない」と聞いたことがあります。それはお客様の「ありがとうの居場所」が変わるからなのではないか、というのが今回のインタビューで感じたことです。言い換えれば、お客様の「ありがとう」を追い求めていけば、自ずと未来は切り開かれるのではないかと、明るい気づきを得て帰途につきました。