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2020/12/08 営業 経営 提案

コロナに負けるな‼ 頑張るジェルコ会員④東京都 株式会社テオリアハウスクリニック

床下点検もキャンセル続出が、6月から急増へ
大きな武器になった防蟻の「保証満了点検」
ОB顧客への「必然性のある訪問機会」の仕組み大切

2020年度上半期月間売り上げの推移(対予算)

2020年度上半期床下点検数・施工数の推移

弊社は1974年創業の首都圏を中心にシロアリ防除施工を営む会社。ここ数年では、断熱事業や住宅診断(インスペクション)事業もスタートさせており、ジェルコでは4種会員として在籍しています。

コロナ感染の不安が世の中に広がりつつも、弊社は昨年度末の3月も順調に終え、さあ2020年度も…と思っていた矢先の緊急事態宣言でした。幸い弊社では東日本大震災の折にBCP委員会を立ち上げており、その活動の一部であったマスクと消毒液の備蓄は大いに役立ちました。全社員が当面の間、使用し続けられる量を備蓄していたため、点検や施工で訪問する際のマスク着用、消毒や検温の徹底など、当初から不自由なく対応できていました。

しかし我々の業務の根幹は、戸建住宅の床下点検と床下への防蟻施工。各お宅に訪問するのが基本業務である弊社にとっては、大きな打撃でした。3密厳禁の最中、見ず知らずの人間をたとえ住宅のためとはいえ、みすみす自宅に招くなんて、ご本人はもちろん周囲の目もはばかられます。

しかも、我々の主戦場は感染者の大多数を占める首都圏。予め予定されていた点検や施工にもキャンセルが出始め、4月、5月は何より新たな点検、施工依頼がほぼ入らない状況となりました。シロアリ防除の業界は、ある意味、季節商売的な所があります。関東地方ではヤマトシロアリの羽アリが発生する4月下旬から5月にかけてのゴールデンウィーク前後。施主の方々が家にシロアリの被害があるかどうか、ここが認識できる唯一の期間なのです。例年であれば、この期間に点検依頼が殺到し、施工が集中する5~7月の売上がかなりの割合を占めてきました。

しかし緊急事態宣言の翌日から、弊社も全社員がテレワークに突入。点検や施工の予定の入っている社員は現場に向かうものの、予定の無い者は自宅待機。施工の受注活動はできず、点検のアポイントすら行えなかった中で、自宅待機の社員数は日に日に増えていきました。

これがコロナの第一波に収束傾向が見えてきた5月後半から状況が一変してきます。5月25日の緊急事態宣言解除と共に、営業部のテレワークも解除されましたが、まずは点検依頼が飛躍的に伸びました。要因はいくつかあります。一つは在宅率の増加で、自分の家の事を改めて見直す時間が増えた事。我々はブランディング効果を狙い、以前からホームページの改修を行っていましたが、この期間で検索率が伸び、掲載コラムの閲覧数も急上昇しました。4~5月は点検数・施工数自体は伸びなかったものの、その間、巷ではコロナ禍で悶々としながらも、一般の方々はネットなどを見ながら勉強していたのだな、と感じました。あの羽アリの原因は何だったのかとか、10年も床下を見ていないのはかなりリスクの高い事なのだな、とか…。それが6月以降の点検数急増に繋がったのだと思います。

もう一つ、我々には大きな武器があるのだなと改めて痛感しました。防蟻の「保証満了点検」です。これは防蟻対策を踏まえると必然の点検になります。新築時の防蟻施工なり、既築時の予防・駆除施工が行われると5年間の保証が付きますが、この保証が満了となる1~3ケ月前あたりに行います。薬剤の効力に伴い保険の期間は5年間に設定され、保証も5年で満了となります。この点検を心待ちにしてくれているお客様も多いのです。被害が無くても、また施工を行って更に5年間、シロアリ被害を心配することなく安心して暮らしたい。この一連の流れが我々の再施工に繋がるのですが、今回、4~5月に点検したくてもできなかったお客様から、6月以降に点検依頼が殺到したのだと、集計数を見ながら改めて感じたのです。その後の点検数の伸びは飛躍的で、7月以降も例年以上です。8月はお盆や猛暑で数字を落とすものですが、例年に比べ今年はさほど落ちませんでした。結果、それが施工に繋がり、売上は6月でほぼ持ち直し、7月以降は予算を大きく達成してます。

この、防蟻の保証満了点検ですが、我々の点検に同行して、上手くリフォームに繋げているハウスメーカーさんは多いです。やはりОB顧客への訪問機会は大事。その手段の一つとして、よく使われています。ただこの必然点検は、リフォーム会社さんでも作る事は可能かと思います。リフォーム後、半年後、1年後の自社の必須点検と会社自体が定めれば、それはお客様にとって特別なものになります。我々が重宝されるのは、床下点検であればこそ。アフター訪問をされている会社さんもありますが、その場合、玄関先で終わってしまう。床下点検は、家に入れてもらえますからネ。必然の訪問機会を会社がどれだけ持っているかが、今後を左右すると思っています。

(㈱テオリアハウスクリニック取締役 法人営業部長 平 一暁)

防蟻対策には、保証満了時に必須点検がある

シロアリ床下点検の様子